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2011年5月 3日 (火)

奥州平泉で古刹を巡る(ドライブ) ★★★

弟宅を後にし、岩手の平泉に向かった。
あんな震災後の風景を見た後、普通の旅行を続けると言っても、やはり精神的に難しい。これはいいか悪いかの問題ではなく、そのような気分になれるかという問題で、震災以来続くこのブルーな気分は、巷では「震災ウツ」というそうだ。

ということで以後の旅は、被災者の冥福を祈りながら、奥州藤原氏をしのぶという事にした。
これなら精神的な辛さも軽減でき、地元の観光業界にも貢献できるという、妥当なせんだろう。
仙台から約一時間で、平泉にある中尊寺に到着。
岩手県に入っても道が多少凸凹している以外は、地震の被害はほとんどないように見えるし、当然地震で休業している施設も見当たらないので、観光にもまったく支障はなさそう。

駐車場に車を停め、境内へと足を進める。
中尊寺は思っていたよりずっと境内が広く、表参道の月見坂に生える巨大な杉並木が歴史の長さを物語る。
ときおり雨が降るあいにくの天気のうえ、震災の影響かあれほど有名な金色堂を有する中尊寺にしては人影が少ないようだ。
おかげでこの幽玄な境内を静かに、心行くまで味わうことができたのは、少し複雑な心境だ。
境内にある建物は、どれも古い歴史を感じさせてくれる素敵なもので、うっそうとした森とあいまって、古の時代にいざなってくれる。さすが世界遺産候補というだけのことはある。

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本堂をお参りした後は、いよいよ金色堂である。
拝観料800円(宝物館込)を払って、教科書でも見慣れたあの階段を登っていく。
実際の金色堂は、風雨による劣化から守るため、外側の建物の中におさまっているのだが、さすが国宝の文化財、その精緻を極めた美の世界に圧倒される。
この後、金色堂の修復ビデオを拝見し、さらにその素晴らしさに感銘したのでした。

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本堂周辺に点在する釈迦堂、弁財天堂、阿弥陀堂、大日堂、峯薬師堂、能舞台・・・などなど境内全体に見所がたくさんあるし、池や竹林の脇にある小道を歩いても素晴らしい風情を堪能できる。
何より、お祈りしながら散策できるので、ほんと心が落ち着きます。

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金色堂の脇を南に下ると、そこは満開の桜がお出迎え。
さらに数件の民家が、桜並木にそって点在し、絵にかいたような美しい日本の風景が広がっていた。
最初は、中尊寺に付随する院や僧坊かとも思ったが、一般のお宅のようだ。
それにしても、皆茅葺屋根ってどういくこと?美しすぎる。

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これは写真に収めねばと思い、夢中になって急な斜面に足をかけ、よっこいしょっと登ろうとしたとき、突然右足のふくらはぎに、バットで殴られたような激痛が走った。
こんな何でもない動作で、右ふくらはぎに肉離れをおこしてしまったようだ(泣)

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何とか足を引きずりながら車にたどり着き、本日予約してあるホテルに向かった。
それにしても、せっかく自転車持ってきたのに、明日からの予定がパーだ。
この足の痛みじゃ、明日は何もせずに帰ることになるのか。

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翌日は朝8時にチェックアウト。
焦ったのは、ただでさえ歩くのが困難なのに、猛烈な風が吹いていてまともに歩けない。
これじゃあ、何もなくても、自転車では無理そうだ。

歩くのに不自由を感じながらも、まったく歩けないわけではないので、弟お勧めの毛越寺(もうつうじ)に行ってみる。
この寺の当時の建物はすべて焼失してしまったが、浄土庭園と平安時代の伽藍遺構が残っているというので、大変貴重だということ。
池を囲む庭園をぐるっと一周後、奥州藤原氏の館跡、柳之御所遺跡へ行ってみる。
館跡には、広いだけで何も残っていないのだが、資料館で見せられたCGによる館に興味を覚えた。
ということで急遽、当時の建物を再現しているテーマパーク、江刺の藤原の郷へ行ってみることにした。

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藤原の郷は、NHK大河ドラマ「炎立つ」のロケセットをそのままテーマパークにした施設で、ロケ用の作りものではあるものの、「前九年の役」「後三年の役」を経て、藤原三代が奥州文化を開かせるまでを、建物を通じて学ぶことができる。
歴史考証はしっかりなされているようで、当時の暮らしぶりを想像するうえで、非常に貴重だ。
当然震災の影響からか、人出はまばらでもの寂しいのが残念。
ここでお土産も買って、地域の観光産業に少しは貢献できただろうか。

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次は藤原氏に関係するお寺ではないのだけど、日本一大きな茅葺屋根というのが、非常に興味深かったので、正法寺を訪れた。
門をくぐると、目の前にある巨大な茅葺屋根に圧倒される。
建物自体は1811年に再建とあるから、それほど古いわけではないけれど、さすがに伊達藩によって再建されただけのことはあり、非常に豪壮で立派だ。
その隣にある庫裡も、本堂には及ばないものの巨大な茅葺屋根の立派な建物だ。

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300円払って中を拝観させていただいた。
時刻が3時を回っていたためか、拝観者は私一人で、心行くまでこの静かで豪壮なお寺を堪能することができた。

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続いて近くにあった「蘇民祭」で有名な黒石寺に立ち寄った。
ここも趣のある良いお寺でした。
ここで最後の被災者の冥福を祈り、奥州平泉周辺の4つのお寺と歴史のテーマパークを巡る旅は終わりです。

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震災後の落ち込んだ気持ちの中で、旅する目的地に選んだ奥州平泉の古刹めぐりは正解でした。
精神も落ち着くことができたし、奥州藤原氏の文化にも触れることができた有意義な旅でした。
この後高速道路料金を翌日の1000円とするため、大崎市にある「さくらの湯」で入浴しながら時間調整し、日が替ってから帰宅しました。

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コメント

さすがkanフィールド!!
こんな旅がしたい、のんびりと

投稿: nekoj | 2011年5月 4日 (水) 22時18分

足さえ怪我しなかったら、角館とか山寺とかも行ってみたかったです。
高速料金1000円はなくなりそうですが、東北道無料化があるかも?
これから狙いは東北ですかね。
復旧にもわずかですが貢献できそうですし。

投稿: kan | 2011年5月 4日 (水) 22時53分

平泉は、子供のころに行ったと思います。
あまり覚えていませんが。coldsweats01
角館には、3年ほど前にオバ仲間と行きました。
地元の方々も親切ですし、走りやすくていいところです。
秋田内陸は「オバ・サイクリストの聖地(?)」です。
義援金だけでなく、東北地方へのツーリングもいいと思います。
いろいろな形で応援していきたいですね。happy01

投稿: 桃 | 2011年5月 6日 (金) 20時08分

桃さん
まったく同感です。
緩やかにアップダウンする道と、少ない交通量。
今まで単身赴任で、仙台にいなかった弟も、仙台の自宅に落ち着くようですし、足場が出ました。
これからの復興も興味ありますし、微力ではありますが東北をこれから応援したいと思います。

投稿: kan | 2011年5月 6日 (金) 21時01分

まったりのんびり。いいですね。
平泉、世界遺産登録されるみたいで、東北の活力となれば。

投稿: makochan009 | 2011年5月 7日 (土) 16時47分

タイムリーな旅行となりました。
平泉周辺の震災被害はほとんどありませんので、皆さん行ってもらいたいものです。
今回は自動車で移動だったけど、歩きや自転車で散策したらもっと面白そうでした。
今年はとにかく東北を目指そうと思います。

投稿: kan | 2011年5月 8日 (日) 09時42分

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